静寂な湖沼に佇んで

今にも雪が舞いそうな空模様だったけど、人気の無い小屋を留守にし、白駒の池に出かけました。

白駒池の入り口から始まる原生林も凍てつく冬を待つかのようにひっそりとした空間だけがあり、生物たちは成長という動きを止め、春のためのエネルギーをためているかのようでした。

強い北風は湖面を打ち、久しぶりに見る白駒の池は波高き湖沼となっていました。

この夏、森の人は女性の為の森の旅を通し幾度と無く案内した場所でしたから、あたり一面に広がる静寂の情景はこのひと夏の出来事を思い起こすには十分な環境のようでした。

湖面を見つめる森の人の瞳は何故かうつろで、感慨深そうな表情で桟橋に佇んでいました。何思うのか?森の人。

暫くして、空からは白い雪が舞い始めました。