2010-01-01から1年間の記事一覧

抜歯の日の訪問者

今日は歯のブリッジ治療の為の抜歯の日でした。午前中に終えた抜歯の箇所が、麻酔の切れに合わせ鈍痛になって行きました。鈍痛に歪む顔をよそに、無人の小屋へ車を急がせ日中業務に務めようと思っていたのですが、久しぶりの身体に刺激的な痛みに耐えられず…

たった二日の居候

先週週末の賑わいを危惧し、急遽HP上で募集した、たった二日の居候。殆ど期待の無い少し遊び心の募集でしたが、まさかの居候申込の電話に驚きつつも、成り行き任せの承諾の返事を返し、13日の茅野駅待ち合わせとなりました。茅野駅改札口での当然の初対面…

3cmの積雪に想う

2,100mの麦草峠に雪の舞う日は数日あったものの、本格的な積雪は今日が初めてでした。白い冬の入口を通り抜け、真白きタンネの森へ進み行く季節の流れを感じとる日となりました。新しい冬の思い出作りの時を、一ヵ月後に控え、心に残る思い出は白き森と人と…

今シーズン最低気温更新

今朝の気温は今シーズン最低の-11℃でした。朝の木々は霧氷に彩られ、真っ青な空と白い世界が美しかった。 残念ながら、日中の穏やかな日差しに霧氷は消え、黒い森と還りました。太陽の日差しを浴びる木々とは違い、登山道沿いの霜柱は連日の冷え込みのせい…

「北八ケ岳、苔の会」発足

日本蘚苔類学会により、日本の貴重な苔の森として認定された「八ケ岳白駒の池周辺の原生林」をきっかけに、青苔荘、白駒荘、高見石小屋、麦草ヒュッテ、白駒池駐車場(南佐久北部森林組合)の5施設が、「北八ケ岳、苔の会」を今日発足しました。近年の売上の減…

静寂な湖沼に佇んで

今にも雪が舞いそうな空模様だったけど、人気の無い小屋を留守にし、白駒の池に出かけました。白駒池の入り口から始まる原生林も凍てつく冬を待つかのようにひっそりとした空間だけがあり、生物たちは成長という動きを止め、春のためのエネルギーをためてい…

雨の日の一時

今日も遠くへ散歩しようかと思っていたのに、外は0℃の冷たい雨が降っているのです。峠を越える車も疎ら、山旅人にいたっては気配もしません。こんな日は薪ストーブの温もりを独占しちゃうのもいいよね!!そうだ、いつか友人から薦められた本読みかけだった…

ヤマネのマー君登場

うう冷たあ〜い!!何じゃこりゃ?これガラスじゃないや!ああ〜四つの足もみんなすべっちゃうよ。氷だ!氷だ!あれれ、氷って透明ばかりじゃないんだ。 すりガラスみたいな、ガラスの彫刻みたいな、いろんなパーツが組み合わさって小さな水溜りを覆っている…

助っ人、久保田の下山

約3ヶ月の勤めを終え、久保田は下山しました。2年前の冬、第一印象は兎も角も、北八ケ岳の山小屋の営みや冬景色に純に感動を表現していたスタッフでした。そしてこのシーズンこちらの要請に応えていただき、3ヶ月のスタッフ復帰をしていただきました。北…

飯田さん、お疲れ様でした。

また今シーズンも飯田さんに助けられました。居候、シルバースタッフの顔として数年来このヒュッテを支えていただいている事に本当に感謝です。今年も恒例の草地の草刈を終了していただき下山を迎えました。今年は腰の痛みを抱えながらの作業でしたから、頭…

元スタッフの来山

昨日は今シーズン最低記録−9℃の朝でした。日中気温も−2℃と上がらず寒い一日でしたが、そんな中、元スタッフの栗原君が訪ねてきてくれました。 現スタッフ久保田さんの下山と徳留さんの長期休暇前に合わせて来てくたようでした。 久しぶりの再会は自然と栗原…

日中現れた、星家

数年前から麦草峠界隈に現れ、星の観察を続けているTさんが珍しく日中やって来た。 車の横には望遠鏡とパソコンがつながれ、望遠鏡は太陽の方向に設置されていた。 どうしたのかとTさんに聞いたところ、今回は機材のテストと太陽のプロミネンス(紅炎)の観…

薪ストーブの似合う山小屋

連日の氷点下の朝を向かえ、ヒュッテ土間に薪ストーブの設置を急ぎました。薪ストーブが設置された土間の空間はやっぱりしっくりきます。薪の爆ぜる音と炎の暖は自然とお客さんを車座にさせて行きます。何の言葉も要らない、何よりのおもてなしです。土間に…

秋盛りを越えて

標高2,100m前後の紅葉はピークを越えました。一雨、一風、一霜ごと落葉が進んでいます。 春の日差しを浴びながら、芽生えた草花も子孫を残し枯れ草となっています。いよいよ冬の季節を迎える準備の時、木々は華やかに着飾った葉を落とし休眠へと移り変わって…

久しぶりの水源地

久しぶりに大石川源流にある水源地を訪れた。このシーズン助っ人として、また専属モデル?として頑張っていただいた久保田さんの勤務もあと少しになった事もあり、一寸だけ麦草ヒュッテの歴史に触れてほしいと思い、水源地を訪れました。嘗て男性小屋番が麦…

素敵な場所、コケモモの庭

この時期白駒池の紅葉が注目を浴びる時ですが、白駒池より4,5日早い紅葉のピークを迎えるコケモモの庭が今が旬です。 本日、麦草ヒュッテ来シーズン用写真撮影に行ったところ、コケモモの庭の石ゴツの淵はサラサドウダンや楓がオレンジ色や真っ赤な色に染ま…

待ちかねた秋雨前線

肌寒い秋雨前線が八ケ岳山麓にもやってきた。山暮らしには大事な森の恵みのお裾分けをいただく時、そうだニョキニョキとニュルニュル頭を地上に出し始めるキノコの季節。落葉松林にはハナイグチの子供たちが、沢沿いの朽ちた柳の木にはヌメリスギタケモドキ…

不思議な魅力?

スタッフKさんが北アルプス山行中に出会ったFご夫婦さんが訪ねてくれました。 残念ながら、Kさんは休憩中で不在の為、私が暫くお話をさせていただきましたが、話題はKさんの特異稀な人を引き付ける魅力についてでした。Fさんの旦那さんは岩場の歩き方をKさん…

眠る友に会いに行く

何年ぶりかの訪問だった。茶臼山に眠る友人のケルンに話しかける為のものだった。二人とも元麦草クロスカントリースキークラブの会長だったが、初代会長は四万十川に倒れ、二代目会長は国道299号に倒れた。親族の希望もあり麦草峠の見える丘にケルンを積んだ…

お山での出会い

この場を借りて、当ヒュッテアルバイトのTの私的ではありますが、お礼を申し上げたく初登場します。 先日、休暇を利用し、北アルプスの山域へ出掛けた際の事です。 あいにくの台風到来で、予定を変更せざる得ない状況になり、M小屋より下山ルートをご一緒し…

来シーズンへの動き

つい先日、八ケ岳観光協会の総会がありました。 議題は「夏山反省会」で、32に軒の山小屋と1施設のこのシーズンの入りこみ状況を話す総会でした。残念ながら、北八ケ岳山域の山小屋は麦草ヒュッテを含め苦戦の報告が出されました。来シーズンこそは如何にか。…

自然の風景からの訓え

今シーズン何度か登場しているノガリヤスの画像ですが、朝日や斜陽に照らされるノガリヤスの草原は、今一番目に映る美しい風景だ。ノガリヤスの穂の集団は海の波の様にも見え、明暗の光との競演が素晴しい。しかし、今日のノガリヤスの群生は私たち人間社会…

ニュウ山頂への思い

麦草ヒュッテを引き継いだ2代目森の人も50という年を既に越え、現在の景気の荒波に揉まれています。小屋に戻って30年経ちますが、不思議な事に心情的転機の節目にニュウ山頂への山行がありました。ヒュッテに戻った最初の頃は働くスタッフとの年の差は然程無…

女小屋番たちの外仕事

8月も最終日となった今日、人通りも少なくシーズンの終了を思わせる。男性スタッフが欠員の当ヒュッテ。冬支度も女性小屋番たちの大事な仕事になっています。ベテランのTさんは休憩の合間を見ながらシーズン中から薪を割っていましたが、夏新人のKさんは薪割…

釜炊きの妙

女性の為の山旅企画の中に山小屋仕事体験がありますが、いろいろ思案した結果、ご飯の釜炊きをお願いする事にしました。実際のところ、現在は山小屋でも圧力釜が主流で、薪と釜でご飯を炊くというのはありません。その為、この企画の前にはスタッフによる練…

野草の風景

ニホンジカの食圧から逃れたイワノガリヤスやヒゲノガリヤスの穂が初秋の風に揺れています。昨年までのツクバトリカブトのブルー一色の草原とは一味違う草原の彩りです。西日に照らされ、風に揺れる野草の風景は思わず人の足を止めてしまうほどです。

玄関のひととき

麦草ヒュッテは山小屋です。しかし、岳人だけを迎える施設ではありません。宿泊者は山やさんが多いものの、玄関をくぐるお客様はいろんな思いを携えてやって来ます。 私たち迎える者たちは少しだけでもその思いに触れる為、声掛けに努めます。 自然と表現さ…

スタッフKの愛らしさ発見

昨年自転車日本一周を達成し執筆活動中のKさんにこの夏の臨時スタッフをお願いしました。 Kさんはトライアスロンやトレイルランなどを楽しむアスリートで、先日も日帰りで南八の横岳をピストンして来ました。物事についてもはっきりとした意見を持つ女性です…

幼心に残るもの

麦草ヒュッテの客層はやっぱり中高年と家族連れです。巷の山ガールブームの影響も無く、家族や熟年の方々の憩いの宿となっています。先日は2グループの親子連れのお客様が宿泊されましたが、それぞれに逞しさと愛らしさを持ったお子さんがいらっしゃいました…

53年目の出来事

東の空に朝焼けを見る宿泊者の動きに山小屋の早朝の風景を心地よく眺めていたのですが、お客様の視線が東の空からヒュッテ側、西側にカメラのレンズを向けながら眺めている事を不思議に思い外に出で見ると、ヒュッテの上空に虹の橋がドーム状に架かっていま…